相続手続 7 限定承認
2015.08.31更新
限定承認とは,相続した財産の範囲内で被相続人の債務を弁済し,余剰があれば相続できる制度であり,相続財産のうちで負債や遺贈を弁済してもなお余りがあれば,それを相続するという留保を付けるということです。
限定承認を行った場合,まずは,相続財産から被相続人の債権者に対して負債を弁済し,また,受遺者に対して遺贈を行います。そして,これらを弁済・遺贈してもまだプラスの財産が残っていれば,それを相続人が承継することになるので,相続人は相続債務について相続財産の限度を超えて弁済する必要はありませんので,プラスの財産だけを相続することができます。
しかし,相続放棄に比べて手続が複雑であること,共同相続人全員で申述を行う必要があることから,限定承認を利用する方は非常に少ないのが現状です。
特に,限定承認の申述が受理された後の相続財産の清算手続きが非常に煩雑となっています。
まずは,期間内(限定承認者の場合は5日以内,相続財産管理人の場合は選任後10日以内)に,限定承認をしたこと及び債権の請求をすべき旨の公告(官報掲載)の手続を行い,その後,法律にしたがって,弁済や換価などの清算手続を行っていくことになります。相続人が複数の場合は,申述の受理と同時に相続財産管理人が選任され,相続財産管理人が行うことになります。
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