遺言について
遺言についてこんなお悩みはありませんか?
- 遺言に興味があるが、何をどう書けばいいか分からない
- 複数の遺言が見つかったが、どの内容に従えばいいのか
- 長男から、どう考えても不自然な遺言が提出された。本当に親が書いたものなのか
遺言の有効・無効を争う場合
遺言は、要件が守られている限り、原則として有効となります。したがって、これを覆すのであれば、「被相続人が、本当に自分の意志で書いていたかどうか」が争点となるでしょう。通院や入院をしていた場合は、判断能力の有無にかかわらず、そのこと自体が疑義のきっかけとなり得ます。「病院通いをするほど具合が悪かった人に、遺言なんて書けたの?」と思われてしまうからです。
また、遺言の保管に際し、普段からあまり接していない親戚に託すのは問題があります。「なぜ、その人が持っていたのか」が問われるでしょう。無関係の第三者から提出された遺言は、その事実だけで無効となる場合がございます。
遺言書を書く場合
遺言書の書式には3つの方法があります。それぞれに特徴がありますので、ご自身に合ったタイプのものをお選びください。
自筆証書遺言
ワープロやパソコンなどを使わず、すべて手書きで記した遺言です。
メリット
・いつでも好きなときに作成・修正ができる
・特別な費用がかからない
デメリット
・必要な様式を満たしていないと無効になり、紛失の可能性もある
・「本当に本人が作成したのか」「誰かに書かされたのではないか」など、有効性が問われやすい
公正証書遺言
本人からの聞き取りを元に、公証役場で公証人が作成する遺言です。
メリット
・要件の抜け漏れがほとんどなく、判断能力を保証してくれるため、無効となりにくい
・保管を任せられるので、紛失や改ざんの心配がない
デメリット
・公証人の費用が発生する
・証人を2人立てる必要がある
秘密証書遺言
ほぼ「公正証書遺言」に準じますが、内容を秘匿できますので、証人の前で読み上げられることがありません。
メリット
・プライベートな中身や相続開始まで明かしたくない事柄を、伏せておくことができる
・遺言の存在自体を、公証人や証人に確認してもらえる
デメリット
・作成費用や証人が必要
・自分で保管する必要がある
トラブルの起きにくい遺言の書き方
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最も大切なのは、疑われる可能性のある要素を、可能な限り減らしておくこと。その意味で、「公正証書遺言」の作成をお薦めします。また、事後問題にならないための方策として、「判断能力がある」うちに、遺言内容を親族の前で説明しておくといいでしょう。正式な遺言とは別に、エンディングノート等を添え、親族に気持ちを伝えるのも効果的です。
また、複数の意味に捉えられる言葉は、使わないようにしてください。土地であれば地番、建物なら家屋番号など、厳密に特定できるような工夫が求められます。作成後には、封をしっかり行ってください。偽造の心配を減らすためです。そのほかに不明点などございましたら、遠慮なくお問い合わせください。
Q&A
母が現金2000万円と2000万円の価値のある不動産を遺して亡くなりました。母の遺言によると、2人の相続人のうち、長男である私に2000万円の価値のある不動産を相続させ、弟に現金2000万円を相続させる旨の記載があります。しかし、私は別のところに住んでいるので不動産を相続する必要がなく、他方、弟はこの不動産に住みたいとの希望を持っています。母の遺言と異なり、私が現金、弟が不動産を相続することはできますか。
お母様の遺言があったとしても、相続人全ての合意があれば、遺言と異なる遺産分割も可能です。あなたと弟との間で、遺言と異なる遺産分割の合意があるのであれば、当該内容で遺産分割することは可能です。