実際にご相談があった相続事案をご紹介いたします(個人情報等の点から,実際の内容とは一部異なります。)。
すでに母は他界し,遺された父の所有する自宅で長男夫婦が父と同居しており,次男は,家を出てマンションを購入して家族で住んでいました。父は認知症と診断され,ここ数年間の間,長男夫婦が父を介護してきました。この度,父が亡くなり,父親の相続財産は,自宅である戸建住宅とわずかな貯金のみであり,遺言等を残してはいませんでした。これまで介護をしてきた長男は,当然のように自宅を相続するものと考えていました。
しかし,葬儀が終わった頃,突然,次男が弁護士を立てて,自宅を売却し,その半分を自分に渡すべきだ,渡せないのであれば自宅の時価3000万円の半分である1500万円を払えと言ってきたのです。次男は,弁護士を立てて,父の介護の際に,父の預金口座も実質管理していた長男が父の預金の一部を自分のために利用したのだから,介護によって長男も利益を受けている以上,きっちり半分ずつ相続すべきだと主張してきたのです。
次回からは,どのように解決したのかをご紹介いたします。