平成27年1月1日に改正相続税法が施行され,相続税の基礎控除が減少したことに伴い,従来よりも相続税対策の必要性が出てきました。そのため,賃貸マンションや賃貸アパート等の賃貸不動産を購入して将来の相続税を減らそうと考えている方も増えてきています。
なぜ,賃貸不動産を購入すると将来の相続税が減ると考えられているのでしょうか。
賃貸不動産を購入することによって将来の相続税が減少する理由は,不動産を相続する場合,相続税の基準額を大幅に下げることにあります。
預貯金や株式等を相続する場合の評価額は,原則として預貯金額や株式の時価によることになりますが,他方,不動産を相続する場合,その不動産の時価を基準として相続税を算定するのではなく,土地であれば路線価,建物であれば固定資産税評価額をもとに,資産の評価がされ,相続税が算定されます。路線価や固定資産税評価額は,一般に,市場で取引されている価格(時価)よりも低額であり,しかも,その土地・建物が賃貸されていることによって,納税額が大幅に低くなります。
したがって,資産を,賃貸不動産として保有することは,一般に相続税対策として有効と言われています。