養子縁組を行うことは自由であり,養子は何人いても構いません。しかし,養子縁組を行うことで,養子も養親の法定相続人となりますので,相続税法上は,制限が加わります。
これは,以前にご説明したとおり,相続税法上,相続税は,財産を相続した全ての人にかかるのではなく,課税される相続財産の額が相続税の基礎控除を超える場合にだけかかるものですので,法定相続人が多ければ,相続税の基礎控除額も高くなってしまいます。また,生命保険金や死亡退職金の相続税非課税枠に関しても法定相続人が多ければその分非課税枠が高くなります。そのため,課税を公平に行うと言う趣旨から,相続税法の法定相続人の養子の数に制限が加えられているのです。
この制限とは、①養親に実子がいる場合は,相続税法上の法定相続人に算入可能な数は1人,②養親に実子がいない場合の法定相続人に算入される養子の数は2人まで,となっています。
なお,実子との親子関係が消滅した特別養子縁組の場合の実親の相続の際や連れ子養子といわれる養子縁組の場合は、この養子制限の対象にはなりません。