相続財産にはマイナスの財産である借金も含まれますが,このマイナス財産は,被相続人も一番に家族に隠してしまいがちですので,相続調査がもっとも困難となります。
まずは被相続人のご自宅等の保管していそうな場所や郵便物から,契約書やキャッシュカード,利用明細等の書類がないかを探してみことが重要です。また、預金口座から返済として引き落とされる場合もありますので,預金通帳のお金の流れを調査して,借金の存在が判明する場合もあります。どうしても負債が判明しない場合は,クレジット情報などを管理している個人情報信用機関(JICCやCIC等)に対して、被相続人の情報開示を求めることも可能です。
また,住宅ローンについては,通常,団体信用生命保険の加入がローン実行の条件になっていますので,借主が亡くなれば保険会社がローンを全額一括で支払うことになり,住宅ローン自体がなくなります。この場合は,住居に設定されていた抵当権が消滅しますので,相続登記の際に抵当権抹消登記を申請することになります。
マイナスの相続財産は,相続放棄を行うか否かの決断の際に重要な事項となりますが,相続放棄は期限がありますので,調査自体早めに行うことが大切です。